アルマイトと無電解ニッケルめっきの塩水噴霧耐食性(アルミニウムへの表面処理)
- 機能
アルミニウムへの表面処理として、無電解ニッケルめっきやアルマイトはその代表的なものです。アルマイトはアルミサッシや一般機械部品、無電解ニッケルは半導体製造装置やハードディスクなど精密部品(導電性が必要なものなど)に用いられています。
よくご質問いただく内容として、「腐食環境で使用したいのだが、アルマイトと無電解ニッケルめっきはどちらが耐食性がよいのか?」というお話を伺いますので、社内で対応している硬質アルマイト(封孔処理あり)と一般の中リン(硫黄系光沢剤含有)で塩水噴霧耐食性を評価してみました。
素材サンプル
- A6061(表面処理無し、無電解ニッケル2水準、硬質アルマイト)
塩水噴霧
- 使用機器:アスコット S120-s
- 試験条件:JIS Z 2371に準拠
- 試験時間:72時間まで(12時間ごとに外観を確認)
無電解ニッケルめっき10μmは12時間で腐食点が発生していますが、硬質アルマイトや無電解ニッケル20μmは無傷です。また、両方とも72時間経過しても腐食は発生していません。
この試験では硫黄系の中リンめっきを使用しましたが、高リンタイプの無電解ニッケルめっきを単独もしくは多層でめっきすることで耐食性を向上させることができます。また、硬質アルマイトも封孔処理を行ったり、シュウ酸アルマイトを使用することで耐食性が向上します。
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