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めっきQ&A

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次世代向け自動車関連めっき

  • 機能

全世界で脱炭素社会の実現に向け、これまでの化石燃料を内燃機関とした自動車から、EV(電気自動車)やFCV(燃料電池自動車)と呼ばれる、次世代自動車への転換への動きが活発となっています。

しかしながら、次世代自動車の普及においては多くの問題を抱えており、その問題に対して様々なめっき技術が活躍しています。

今回の記事では、EVを代表とする次世代自動車やその製造装置に活用されるめっき技術を紹介します。

INDEX

◆自動車の変革によるめっき用途の変容

◆次世代自動車に求められるめっきの機能と用途

自動車の変革によるめっき用途の変容

化石燃料を使用した自動車は約3万点の部品によって構成されていると言われており、めっき業界でもエンジン部品への耐摩耗性、耐食性用途でのめっき処理を初めとして、様々なめっきが施されています。

内燃機関を持つ自動車から次世代自動車に変わるにあたって、やはり一番大きく変わるのはエンジンからモーターへの転換であり、部品数が大幅に減少するとともに、めっきの機能用途としてもこれまでの耐摩耗性を初めとする機械的特性だけでなく、電気的特性やはんだ付けなどの物理的特性のニーズが増えてきています。

また、モーターを動力源とする次世代自動車においては、二次電池のエネルギー密度の問題から軽量化へのニーズが多く、アルミニウムやマグネシウムなどへの表面処理も多くお客様から問い合わせいただいています。

めっきの機能と用途

それでは、次世代自動車に対してどのような用途でめっき技術が用いられているのかご紹介します。

電気ニッケルめっき

電気ニッケルめっきは電気めっきのため寸法精度にこそ難があるものの、無電解めっきよりも皮膜中の金属以外の成分量が少ない為、電気伝導性、はんだ付け性、溶接性に優れており、電池同士を接続するバスバーなどに利用されます。電気ニッケルめっきの種類として、光沢、半光沢、無光沢とあり、それぞれの使用用途に沿った種類が採用されています。


サン工業の電気ニッケルめっきについてはこちらのページもご覧ください。

無電解ニッケルめっき

電気ニッケルめっきよりも高価ではありますが、つきまわりに優れることから、電気ニッケルめっきとの複層で使用されるケースもあります。
また、電気の力ではなく、化学反応によりめっきされる仕組みとなりますので、めっき皮膜中に金属ではないリン等が含まれてしまう特徴もありますが、このリンの効果により電気ニッケルめっきよりも耐食性に優れています。
さらには、リンをはじめとした皮膜中に含まれる成分を調整することで、はんだ付け性や経時変化による信頼性低下防止にも役立ちます。
他にもPTFE粒子なども容易に複合できる特徴から摺動部品に対しても利用できます。


サン工業の無電解ニッケルめっきについてはこちらのページもご覧ください。

銀めっき

銀は銅や金よりも優れた電気伝導性をもち、その特性を生かして大電流を流す電気接点に利用されることが多いのですが、めっき皮膜が軟らかいという弱点があり、挿抜を繰り返す端子に利用する際には耐久性に問題があります。
弊社で開発した硬度が低下しにくい硬質銀めっきを用いることで、耐摩耗性を改善することができ、EV用充電用コネクターなど大電流を必要とする電気接点に利用されています。

その他にも、次世代自動車向けの半導体において、熱に弱いはんだ接合に代わって、高温環境下でも接合強度を保つことができる銀シンター接合にも銀めっきは利用されています。


サン工業の銀めっきについてはこちらのページもご覧ください。

スズめっき

ニッケルめっきよりも柔らかい性質を利用して、接触相手の形状になじませることで、良好な接点接触性を維持する事ができる為、バスバーや弱電系の端子などに使用されています。
また、銀や銅、金には劣りますが、ニッケルめっきよりも電気伝導性では優れている特徴もあり、最近は銅バスバーやアルミバスバーに利用されることが増えてきています。

一方で、融点が低いため高温には弱く、変色が目立ちやすいデメリットもあり、ニッケルめっきでは発生しない経時変化でめっき皮膜から生じるヒゲ状のウィスカ問題などもあります。
ウィスカについては完全に防止することは困難ですが、下地めっきやめっき後の熱処理によって抑制することが可能です。


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金めっき

金めっきの特徴はその腐食しない特性にあり、はんだ付け性が良好なこと、ワイヤーボンディング性に優れていること、接触抵抗などの表面性能が劣化しないことから、様々な分野(特に車載電子部品や半導体)で現在も利用され続けている要因です。しかしながら非常に高価なため、自動車の心臓ともなる電子部品以外については他のめっきで代用し、コスト低減を図っています。


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亜鉛ニッケル合金めっき

亜鉛めっきの耐食性をより強化しためっきであり、亜鉛めっきよりもコストは高く、めっき液の管理が難しいものの、自動車の足回りなど高い耐食性が求められる部品に幅広く利用されています。
弊社では一般的な鉄系素材だけでなく、鋳鉄やアルミニウムへの亜鉛ニッケルめっきも可能です。

また、3価クロムを用いた仕上げの化成処理を施すことで、通常の紫がかった外観だけでなく黒色の外観に仕上げることもできるため、黒色用途としても有効です。


サン工業の亜鉛ニッケル合金めっきについてはこちらのページもご覧ください。

硬質クロムめっき

内燃機関を持つ自動車ではエンジン部品などに使用されていた硬質クロムめっきですが、次世代自動車向けについては直接車体に使用されるのではなく、二次電池を製造する装置に使用される案件が増えています。

二次電池は、金属の薄い板とセパレーターを交互に巻き付けた構造をとっており、それぞれの材料を搬送する際にローラーが用いられます。自動車そのものの部品の軽量化だけでなく、それを製造する装置についても環境負荷軽減の観点から軽量化による省力化が図られており、アルミニウムなどの軽量の材料が用いられています。

アルミニウムはそのままでは非常に軟らかく、アルマイト処理を行ったとしてもHv350程度までしか硬質化しませんので、部品の消耗が速い問題がありましたが、アルミニウムに硬質クロムめっきを施したローラーを使用することで、大幅な耐久性向上とクロム特有の強固な酸化被膜の効果による異物付着抑制を図っています。


サン工業の硬質クロムめっきについてはこちらのページもご覧ください。

サン工業では、1社で様々な表面処理を取り扱っています。リストにない表面処理についても試作から対応可能ですので、皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

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