黒いめっきにはさまざまな種類がありますが、代表的なものには以下のめっきになります。

• 黒クロムめっき
• 亜鉛めっきの黒色クロメート（六価、三価）
• 黒ニッケル（Ni-Zn合金めっき）
• 三価黒クロムめっき
• 黒色無電解ニッケルめっき

それぞれについて黒く見えるメカニズムや表面状態、特色や用途がありますが、表面を観察すると面白いことがわかってきます。今回は、黒クロムめっきの表面はどうなっているのかを解説します。

黒クロムめっきは数十年前から行われている処理で、成分には無水クロム酸や硝酸塩が含まれています。真偽のほどは不明ですが、硬質クロムに入れるべき硫酸の代わりに、間違って硝酸を入れてしまったことが発見のきっかけというトリビアもあります。

本来クロムは金属色の白色光沢の外観ですが、黒クロムめっきは金属としてのクロムではなく「三価クロムの化合物」を電気的に表面に生成させています。三価クロムの化合物（酸化物や窒化物など）が微粒子状に堆積するため、表面にミクロな凸凹が生成することで、黒色の見た目になっているのです。

光学系デジタルマイクロスコープで拡大していくと、黒色の外観に見える黒クロムが、実は赤や青、緑の微粒子の集合体であることが見て取れます。

サン工業の黒クロムめっきはつや消しになるように液の組成を調整していますので、この傾向が顕著かもしれません。（写真はアルミダイカスト品への黒クロムのため、大きい凸凹は素材起因です）

ご相談の多い『黒いめっき』について、約20記事分をPDFにまとめました。
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