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ニッケルめっきの種類って?ニッケルめっきの種類と特徴

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一言で「ニッケルめっき」と言ってもいくつか種類があるのはご存知だと思いますが、実際にどのニッケルめっきがどんな性質なのか?また、どのニッケルめっきを選択すればよいのか?などニッケルめっきについて問い合わせいただくことが多くなってきました。このページではニッケルめっきについてご説明いたします。

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電気ニッケルめっきと無電解ニッケルめっき

ニッケルめっきを処理する方法として、電源を使用してめっきする電気ニッケルめっき(電解ニッケルめっきともいいます)と電気を使わずに化学的な還元反応を利用してめっきする無電解めっきと分けられます。

電気を使用するのが電気ニッケルめっき、電気を使わないのが無電解ニッケルめっきといえます。大まかに分けると下記写真の図のようになりますが、更に区分けしてくと数十種類あり、それぞれに特徴があります。

ニッケルめっきの種類

ニッケルメッキの種類を説明している図

ニッケルめっきの種類

電気ニッケルめっき

  • 光沢ニッケル(ワット浴、スルファミン酸浴)
  • 半光沢ニッケル(ワット浴 1次光沢材、ワット浴 2次光沢材)
  • 無光沢ニッケル(ワット浴、スルファミン酸浴)

無電解ニッケルめっき

  • ニッケルリン(低リン、中リン、高リン)
  • ニッケルホウ素
  • ニッケルリンホウ素


電気ニッケルめっきの特徴

電気ニッケルめっきは、装飾用途から電気部品などの機能用途まで、広く使われているめっきですが、種類によって様々な特徴があります。例えば光沢ニッケルめっきは、その光沢性から装飾めっきの下地として使用されたり、硬さもあることからコネクターなどにも使用されます(家庭用コンセントなどはよく目にしますよね)。半光沢ニッケルめっきも、溶接性やはんだ付け性用途として使用されたりします。

また、めっきの浴種(液組成)も様々あり、一般的なワット浴、曲げ性や厚付け性に優れたスルファミン酸浴、ステンレスへのめっき下地に使用するウッド浴など、浴種も用途によって使い分けます。

よって、一言で電気ニッケルめっきといっても様々ありますので、「この用途にはどのニッケルめっきが良いのか」などは、実際にご相談くだされば、弊社技術スタッフが的確にアドバイスさせていただいております。お気軽にご相談ください。


ニッケルめっき|めっき浴の種類

無光沢ニッケルめっき浴

無光沢ニッケルめっきは光沢剤、応力除去剤など添加剤が入っていないめっきです。液の組成として、工業用にはワット浴とスルファミン酸浴が多く使用されています。それぞれの浴に特徴はありますが、一般的に皆様がお目にするニッケルはほとんどがワット浴ではないでしょうか。

ワット浴は1915年にO.P.Watts氏により考案された電解ニッケルめっき液のことで、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸から成り立っています。
また、スルファミン酸浴はスルファミン酸ニッケル、ホウ酸、塩化ニッケル(または臭化ニッケル)が基本成分で、ワット浴よりも柔軟性に優れていて、高い電流密度を使用でき、内部応力も少ないのが特徴です。(その分液コストも高いですが・・・)

無光沢ニッケルめっき浴は、これらベースの成分のみでめっきすることが多く、その名の通り光沢はありません。光沢剤などを使用していないため、レベリング性は低いですが、純ニッケルに近いのが特徴です。純ニッケルに近いのと、後ほど後述しますが応力緩和剤の硫黄を含まないため、電子部品に使用されることがあります。「展開剤を使用していないの?じゃあ簡単じゃん」って言いたいところなのですが、実は管理はとても大変なのです。濃度変化、pH変化、不純物に敏感で、外観不良やピット、ザラなどが発生しやすいのが特徴です。


光沢ニッケルめっき浴

光沢ニッケルめっき浴は、ベース成分の液に光沢剤、応力除去剤、ピット防止剤などを入れたものです。光沢剤にはブチンジオールなどのレベリング剤、応力除去剤としてサッカリンなどが使用されます。めっき業界では、応力除去剤などを1次光沢剤、レベリング剤を2次光沢剤ということが多いです。一般的に皆様がみるニッケルめっきはほとんどがこれらの浴で作られた光沢ニッケルめっき液だと思います。

ピカピカで硬く比較的簡単に処理できる光沢ニッケルめっきですが、サッカリンなどを硫黄系の物質を含むため、めっき膜の中に硫黄が極微量含まれてしまいます。めっき膜に硫黄が含まれると、含まれないめっきよりも腐食しやすくなってしまいます。(めっきでは、電位が卑になるといいます)


半光沢ニッケルめっき浴

半光沢ニッケルめっきは、硫黄を含まないレベリング作用がある添加剤を使用します。
光沢ニッケルほどはピカピカではありませんが、硫黄を含まないので、光沢ニッケルめっきよりも電位が貴になります。このため、光沢ニッケルと半光沢ニッケルを組み合わせることで、電位の差を利用して、耐食性を上げるダブルニッケルという処理が自動車部品や機械部品、装飾部品に広く採用されています。
また、硫黄を含まないため、はんだ付け製品にも採用されることが多い処理です。


ニッケルめっきの添加剤、光沢剤

ニッケルメッキの添加剤、光沢剤

【電気区分】電気ニッケルワット浴

外観:光沢

  • 添加剤:光沢剤にプチンジオール系とサッカリン系を用いる

外観:半光沢

  • 添加剤:サッカリン系(硫黄)などの応力除去剤のみ
  • 添加剤:クマリン系、プチンジオール系などのレベリグ剤のみ

外観:無光沢

  • 添加剤:光沢剤無添加


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