快削材(例:SUM24Lなど)はめっき不良が出やすいと聞きましたがどうしてですか?
- 素材
鉄でも黄銅(真鍮)でも、めっきメーカーにとっては快削材は少しやっかいな材料です。一般に快削材は棒状の材料を削って形を作っていきます。このとき、切削の刃物が熱をもつのを防ぎ、刃先の摩耗を防止する目的で、快削材の中には「スイカの種」のような形で、快削成分(介在物と我々は呼んでいます)が含まれています。
この快削成分は、硫化マンガンと鉛が用いられることが多いのですが、特に、硫化マンガンはめっき前処理工程の酸に溶けやすく、巣穴となって、めっき後のサビ発生の起点となってしまいます。
また、鉛成分は、特に無電解ニッケルめっき工程の場合は、めっき反応を止める効果があるので、無めっきの原因になることがあります。
サン工業では、素材にあった前処理薬品を選定するとともに、液濃度や温度を厳密に管理することで、これら不具合の発生防止を行っているのです。
写真は、快削材の端面に発生しやすい無めっき不良の画像です。
このような不具合は、下の写真のような材料中の介在物が原因で発生してしまうのですが。特に酸処理の薬品や濃度、温度をうまくコントロールすることで、発生を抑制することができるのです。
