話題の大鹿村騒動記を観に行きました。
話題と言っても、主演の原田芳雄さんが先日お亡くなりになり、彼の遺作と言う意味での話題ですのでちっとも嬉しくはありません。

大鹿村は地元高遠から分杭峠を隔てたお隣にある村ですので、とても身近な舞台として親近感をもって見ることが出来ました。
また、地元の長谷村にも中尾歌舞伎という大鹿歌舞伎にも劣らない歴史を誇る歌舞伎もあり、そうした伝統文化が根付いている地域だからこそ親しみと共に、身近なテーマを取り上げてもらった映画であることが地元の人間として嬉しかったのです。

今まで地元を舞台にした映画を何本か観ましたが、いずれも何処か違うなぁー？といった違和感を感じる映画が多かったのですが、この映画は信州の田舎そのものが極自然に表現されていた事が素晴らしかったです。

原田さんの映画で印象に残っているのは少しマイナーですが1981年の映画「スローなブギにしてくれ」での輝男の役でした。出番は少なかったのですが、山崎努のムスタングの男との対比がなんともビミョーで今でも鮮明に憶えています。
この映画で原田芳雄さんの演技力の深さを見るにつけ、惜しい俳優を失ったものだと改めて残念に思いました。