サン工業株式会社

サン工業訪問記一覧

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そんな気持ちから生まれたサン工業訪問記です。

【第52回】勝つぞこの戦い、必ずな! 抗ウイルスめっき(1)プロジェクト始動

  • 勝つぞこの戦い、必ずな! 抗ウイルスめっき

2019年末に中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者が確認された。のちにCOVID-19と名付けられる新型コロナウイルス感染症の始まりと考えられている。日本で第1例目の感染者が発表されたのが2020年1月16日、2月には感染の広がりとともに使い捨てマスクやアルコール消毒液が全国で品薄となり、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の足止めが連日報道された。3月東京オリンピック・パラリンピックの1年延期が決まり、4月7日政府は東京など7都府県に緊急事態宣言を発出、16日には全国に対象を拡大した。

こうした状況のなか、サン工業川上健夫社長は問うた。「めっき屋として何かできないか」。そして2020年3月直轄のアンチコロナプロジェクトの始動を命ずる。専任のプロジェクトリーダーに指名されたのは、当時品質保証課に在籍していた入社7年目の中田康介さんだ。化学的知識が豊富で、レスポンスが速いことは社内の多くが認めるところで、その資質を買われての抜擢だった。課されたテーマは抗ウィルス・抗菌めっき。こうして彼を中心とし開発課メンバーがサポートする形で新たな戦いが始まった。なお完成した技術について手っ取り早く知りたい方は以下をご覧ください。

「サン工業が開発した抗ウイルス・抗菌めっき」はこちらから

ドアレバーへのCoViK

本欄の役割は、その開発ストーリーを伝えることにあるが、その前に中田康介さんの紹介をしておこう。出身は静岡県清水市(現静岡市清水区)で、小学校は「ちびまる子ちゃん」原作者さくらももこ氏と同じだった。子ども時代の彼は、空手や野球に打ち込むスポーツ少年だった。高校卒業後はどうせなら他県の大学に進みたいと、彼曰く教育県のイメージがあったという長野県の信州大学工学部物質工学科(現物質化学科)に入学した。

信州大学は長野県に5つのキャンパスを持ち、全学部の1年生は松本キャンパスで学んで、2年以降は学部によりキャンパスが分かれる。初めて松本駅に降り立った中田さんは「正直後悔した」と言う。周りは山ばかり、圧迫感に息が詰まりそうじゃないか。残雪の北アルプスが雄々しいなんて感動していられない。だって今にもこちらへ倒れかかりそうだもの。広々と平地と海が広がる清水から来たのだからさもありなん。実は同じ恐怖と後悔を開発課課長の河合さんも感じていたとか(彼は名古屋出身で信州大学に進学した)。

とはいえ住めば都とはよく言ったもので、しかも適応能力も高い彼は、松本にいた1年のうちに長野県に慣れてしまった。「夏涼しくていいところだ」。

信州の夏を3度目に経験するころには就職活動が始まった。院卒じゃないと大企業は無理かもしれないが、自分は大きな組織の歯車にはなりたくない。中小企業に的を絞り、解析・分析好きだった彼は品質保証に興味を持った。そして2014年、サン工業に入社する

*次回「勝つぞこの戦い、必ずな! 抗ウィルスめっき(2)そのとき歴史が動いた」

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