3Dプリンター技術については、ABSなどの樹脂造形品の品質レベルが向上著しく、成形の精度も高くなってきていることから、形状確認のための初期試作や単品製品の製造に使用されるようになってきました。

サン工業でもキーエンス製高精度3DプリンターとUltimakerの汎用ABS ３Dプリンターを導入し、自社内で使用するジグやマスキング、引っ掛けジグの形状を検討するための単品形状確認試作など幅広く使用してきました。

そんな中、「3Dプリンターで成形した製品や部品にめっき処理を行うことで、美観や表面硬度向上などの付加価値を付けることはできないか？」といった相談を受けるケースが増えてきましたので、社内Ultimaker社の3Dプリンターを用いて造形したABS樹脂素材のサンプルにめっきしてみました。

一般的には、自動車部品などの外装部品や内装部品のクロムめっきされたパーツはめっき用グレードのABS（アセチレン＋ブタジエン＋スチレンの共重合樹脂）で製作されています。

これにめっきする場合には、クロム酸などの酸化剤を使用して、樹脂中のブタジエン部分を分解し表面に微小な凹みを作り、その凹みを利用して密着のよいめっきを処理することができています。ただ、3DプリンターのABS樹脂はめっきグレードでは無く、また、造形時の隙間や空隙に前処理液やめっき液がしみ込んでしまうことで良好なめっきを得ることが困難でした。

サン工業では、3DプリンターABS樹脂造形品に対して表面処理プロセスを独自開発し、密着性や美観に優れためっき処理を実現しました。

• 写真上：F14トムキャット（長さ約10㎝、銅めっき）
• 写真下：ペーパーナイフ（長さ約12㎝、銅めっきとニッケルめっき）

使用する3Dプリンターや造形精度による違いですべての機種でうまくいくとは限りませんが、3Dプリンター造形品に対してめっきを検討されているようでしたら、ご相談いただければと思います。

また、開発メンバーには3D-CAD（ソリッドワークス）エンジニアが在籍していますので、ご要望の形状について社内にて造形及びめっき処理をすることも可能です。

試作なされたいABS樹脂製品のCADデータをお送りいただき、サン工業で造形＆試作めっきすることで、「3Dプリンターを活用してスピーディーにめっき試作を試したい」というお声にお応えできるかもしれません。まずはお気軽にご相談ください。

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