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開発課ってどんなとこ?

【第38回】「ブエノス・ディアス! 市河さん」

入社4年目の市河さんは、昨年から今年にかけて幾度かメキシコへ飛んだ。目的はお客様への技術提供。自動車部品をつくっているお客様の現地工場で、アルマイトのラインを立ち上げるのが任務だ。場所は、メキシコシティから飛行機で1時間半ほどのサン・ルイス・ポトシ市。標高1800メートルを超える高地にあって、サボテンしか生えぬ砂漠が広がる土地だが、国内の主要都市やアメリカへのアクセスがよい(日本の感覚じゃない)ことから、産業・物流の要所として注目され、近年は自動車関連企業の進出が相次いでいる。

 

工場からの景色

現地でのライン立ち上げは、2年に及んだプロジェクトの総仕上げだ。14年6月から1ヶ月にわたった初回のメキシコ行きには、サン工業から唐沢常務、榎堀営業企画兼生産管理課長、有賀生産技術課長、そして開発課から試作・分析担当として市河さんが参加した。市河さんにとって初の海外旅行が、会社の看板を背負う重要なミッションとなった。

メキシコで仕事をご一緒したみなさん

その後も同年11月に3週間、15年夏にもひと月ほど市河さんは現地へ赴いた。お客様の日本人技術者は、サン工業本社のラインで事前に経験を積んでいたからよかったが、向こうでは「表面処理とは何ぞや」から実際に作業するスタッフに指導しなければならない。「言葉の壁にはやはり苦労しました」と振り返る。現地従業員は皆スペイン語、しかも早口でまくしたてるから当初はまるで分からなかった。それでもひと月経つ頃には、何となく聞き取れるようになったそうだ。

困ったことは他にもある。足りない物資(機材や薬品など)を取り寄せるにも、日本なら一両日中に届くものが、1週間とかひと月かかることもある。工場の建物は突貫工事でつくったらしく排水など付帯設備に不備があった。相談事を日本の本社にメールしようにも、相手は地球の裏側だからすぐ返信がこない。さらにさらに、向こうの作業者は根っからのラテン系で、ノリはいいが仕事のスピード感や地道さは日本人とは大違い。辛い味付けの料理にも辟易しながら、それでも市河さんは諸々の課題を乗り越えた。

 

現地でよく食べていた料理その1「アラチュラ」   現地でよく食べていた料理その2.「アルゼンチン料理」   長い時は1か月滞在していた宿泊先

「準備する余裕もなく、ポンと放り込まれたことで、逆に腹を括れたんだと思います。やるしかないからやる。やってみればどうにかなるものなんです。向こうへ行けと声が掛かったとき、断らないでよかったです。行かなかったらきっと損をしていました。今度のことで自分の中で価値観が変わりましたし、心にゆとりをもって広い視野で仕事を見られるようになりました」。まさに「Yes, I can ! 」を地で行く人だ。

いま市河さんは、クロムめっきの仕事に取り組んでいる。「もちろんアルマイトもいつでもやりますよ」。海外での表面処理ラインの立ち上げは、サン工業市河まで。アディオス

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