ページトップへ

掲載記事・受賞歴

2007年第2回ものづくり日本大賞 ②受賞者の言葉

「ものづくり大賞・優秀賞」を受賞して

今回受賞したプロジェクトは「環境対応型めっき自動生産ラインの革新的な複合的生産プロセス」と題されたものです。
環境に有害な六価クロムを、めっき処理に使わないという時代の流れ。その中にあって、変色やサビの問題にどう対処するかは、関係者の頭を悩ませるところでした。
プロジェクトチームは、この変色やサビを防止するのに一般的によく使われている、ベーキング処理を行わずに済む皮膜処理の方法を研究、さらにそれを人の手ではなく、新たに開発した大型めっき自動処理装置に委ねることで、良い品質の製品を大量かつ効率的に生産できるようにしました。

 

プロジェクトの中心となった4人は、「自分たちはたまたま代表者として受賞しただけ。成功は職場の仲間全員の努力の賜物」と語ります。
受賞したことも嬉しいが、みんながもっと喜んでいるのが、最年少の有馬浩太郎が、このプロジェクトを通して、自他ともに認めるほど成長したこと。彼の言葉で今回のプロジェクトを振り返ってみましょう。

 
有馬 浩太郎

1981年生まれ。
駒ヶ根工業高等学校、飯田コンピュータ専門学校を卒業後、2001年サン工業入社。
現在、製造課に所属

はじめて取り組んだビッグプロジェクト

今回、私が担当したのは、これまで手作業で行っていた皮膜処理を、自動化するという部分です。ふだん実際に自分が手作業をしているので、その経験を活かして、どうすれば人の手と同じような作業が、機械で行えるかを考えました。

自分の考えだけでなく、同じ職場の仲間にも意見を聞いて構想を練り、5種類くらいアイデアを考えました。そこまで来るのに半年くらいかかりました。一番頭を悩ませたのが、「揺動」と呼ばれる、品物を入れた箱を手で揺する作業です。人間の関節のような微妙な動きを、どうすれば機械ができるんだろうと思って、相当悩みました。

やっとアイデアが固まって、関崎さんに伝えて図面化してもらい、工場長の坪木さんの許可をいただいたのはいいのですが、それからがまた大変。設備屋さんに、こんな複雑なものはできないと言われてしまったんです。ここまで来て自分も引き下がるわけにはいきません。必死に頼み込んで作業を進め、やっと試運転にこぎつけた時には3ヶ月くらい経っていました。

 

思いを形にするのは自分自身

それからも機械が止まったり、思うように動かなかったり、胃が痛くなる時間が続きましたが、さらに改良を加えていくうちにだんだん安定してきて、生産ラインとして役割を果たすようになってくれました。一時は「失敗か」と思ったことさえありましたが、結果的に成功して、そのうえ賞までいただいて、なんだか夢みたいです。

この経験を通して自分が変ったことは、与えられたことだけをするのではなく、自分で考えながら挑戦すれば、たとえ器用でなくても、それなりにできるんだなと思うようになったことです。
もうひとつわかったのは、思いは黙っていても伝わらない。でも、自分から動けば、きっと誰かが助けてくれて、ゆっくりでも形になっていくということです。

いま、他の生産ラインを見ても、もっとこうしたら、ああしたらというアイデアが湧いてきます。これからもどんどん提案して、職場をよくしていけたらいいなと思っています。

最後に坪木さん、榎堀さん、関崎さん。私が何を言っても「ダメ」と言わずに「やってみろ」と言ってくれましたね。感謝しています。有難うございました。

 

同時受賞した先輩社員からのメッセージ

 
坪木 勇 / 製造課 課長

浩太郎から設計図を見せられた時「こりゃあ金かかるぜ」と言いました。実は内心では無理じゃないかとも思ったんです。設備屋さんも見積りが出せないって言ったくらい斬新なアイデアでしたから。私にできたことは、渋る設備屋さんに「そう言わずにやってよ。できるよ」とお願いすることくらい。若い有馬が最後まであきらめないで、本当によく頑張ったと思いますよ。

 
榎堀 秀和 / 開発課 課長

私の仕事はめっきの技術を考えること。そしてそれを実際に製品にしていくのが有馬くんのような現場の人たちです。言ってみれば、いくらすぐれた研究・開発をしても、現場の人たちがそれを活かしてくれなければ、研究は陽の目を見ないということになります。その点、有馬くんはセンスがいいので助かります。今回の受賞をバネに、さらに伸びてくれることを期待しています。

 
関崎 教一 / 製造課 主任

有馬くんは目に見えて変りましたね。仕事に取り組む姿勢がすごく積極的になったと思います。うちの会社はもともとチームワークがいいんですよ。誰かが何かをやろうとしていたら、みんなが支えようという気風がある。だから今回のこともうまく行ったし、受賞に結びついたんじゃないかと思います。こういう会社だから、第2、第3の有馬くんが絶対にいるはず。早く出て来いよ、楽しみにしてるからな!