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番外編 社外でこんなこともやってます

【番外5】子供たちのサン工業訪問記

慎重に治具に部品をかける中学生

 

サン工業が所在する伊那市では、市立中学に通う生徒の職場体験という試みがある。中学生が地域の会社やお店で実際の仕事の一部を体験して、世の中にはどんな仕事があり、働いている人はどんな思いでいて、その仕事にどんな意義があるかなどを学ぶ。子供やその家族にとっても、地元事業所にとっても、とても有益な取り組みだ。だって、この職場体験で触れた仕事が、その子の一生の仕事になるかもしれないのだから。

年に数回行われていて、ある日たまたま、レストランで子供が注文した品物を持ってきてくれたり、図書館で本の貸し出し手続きをしてくれたりすると、彼らがどんなに頼りなさげに見えても、「まあ頑張れよ」と胸の中で声を掛けている自分がいる。平成25年度も180ほどの事業所がこれに協力しており、サン工業もそのひとつだ。

今年の春は、西箕輪中学校2年の男子生徒2人がサン工業へやってきた。体験期間は3日。一日目から即現場のラインに立つ。めっきは会議室で起きてるんじゃなく、現場で起きてるからだ。例えば自動車部品を亜鉛めっきする工程。治具に部品をひっかける単純作業だが、ラインをスムーズに動かすため「正確に早く」が求められる。効率的にやるにはどんな工夫をするか、コツや知恵をサン工業の社員さんが優しく教えてくれる。

初めて経験することだし、すぐにうまくできない。何より立ちっぱなしの仕事が辛い。だが、大変さを知ることも大事だ。仕事をするということについて今、具体的なイメージを持つ子どもが少ないと言う。中学生ばかりじゃなく高校生も、大学生になっても。

それを10代のこの時期に体験できる。「君たちにとって大きな財産なのだよ」と偉そうに言ってみたくなる。でも大きく間違っちゃいない。仕事はたいへんで、疲れて、でもやりがいがあって、きちんとやれば誰かから喜んでもらえる。たった二日か三日じゃ分からないかもしれない。でも、「足が疲れた」思い出と一緒に、何か持ち帰ってほしい。「働くって、スゴイことかもしれない」そんな漠然とした感想でもいい。

男子生徒二人が書いていた作文

 

現場での作業は、三日目の午前中まで続く。サン工業さんったら結構スパルタである。でもこの男子生徒二人は、現場の人が丁寧に指導してくれたと作文に書いていた。

三日目の午後は、まず座学で「めっきとは何か」を学ぶ。電気を使うめっきと使わないめっきがあり、どっちにしてもちゃんと手順を踏まないとうまくめっきできなくて、だから下処理が大事なんだよ、みたいな話。それから、めっきは身近な製品にたくさん使われていることも知る。

 

体験の〆は、自分でめっきに挑戦だ。アクセサリーに金めっきを施す。さっき教わった下処理をして、お次は下地のニッケルめっき。いよいよ本番の金めっき。つくったアクセサリーはもちろんプレゼントしてくれる。自分のチャレンジが形になるのってやっぱりうれしい。二人は「ものづくりの楽しさ」を知ってくれたかな。