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亜鉛めっき 錆びないヒ・ミ・ツ

亜鉛めっき 錆びないヒ・ミ・ツ♡ その1

 満を持しての登場である。他のめっきを取り上げるのにかまけ、その存在を忘れていたわけではない。ただ、どれほど大切なものも、あまりに身近で当たり前だったりすると、その有り難さに気付きにくい。人は悲しき生き物だ。

 言い訳はそのくらいにして、亜鉛めっきをご紹介しよう。

 案内役は、お馴染み開発課長の河合さんと同課の市河さん(当コーナー第38回に登場)。レクチャーは河合さんの質問から始まった。

「亜鉛めっきと聞いて何をイメージしますか?」

「えっと、ブリキですか?」

「それはスズめっき。きっとトタンの間違いでしょう」

端から素人丸出しである。仰せの通り、思い浮かんだのはトタンの波板である。他にも亜鉛めっきの用途は、自動車の鋼板、ガードレールや駐車場など建造物の資材、小さなところではボルトやナットなど幅広い。亜鉛めっきの強みは優れた耐食性である。つまり錆びない。だからいろんな用途に使われる。しかも安価だ。数あるめっき処理の中でも、ニッケルめっきやクロムめっきと並んで需要が多く、河合さん曰く「めっき屋のデフォルト(定番)」だそうで、サン工業でも主力のひとつである。

 次いで亜鉛めっきの種類ついて、市河さんが説明してくれた。トタンの波板は溶融亜鉛めっきで、その後処理としてクロメート処理をしたものを、一般に亜鉛めっきと言うそうだ。クロメートとはクロムの化合物のこと。クロムめっきが金属であるクロムの被膜を素材に付ける。一方、クロメートは金属の表面とそれを反応させる化成処理だ。これでより強い被膜にする。鉄に亜鉛めっきする場合なら、素材である鉄、その上に亜鉛めっきの層、さらに上にクロメート処理した層が出来るというわけ。

 クロメート処理には、六価タイプと三価タイプがある。六価タイプはさらにユニクロ、有色、黒色、緑色に、三価タイプはユニクロ、有色、黒色に分けられる。僕みたいな素人がユニクロと聞けば、かのブランド名・店舗名を思うが、ここでは光沢クロメート処理の通称のことだ。どうやら開発者の会社と処理液の名前に由来するらしい。

 三価は安全性・環境性等で六価より優れるが、多少コストが掛かるのだとか。ユニクロ、有色、黒色の違いは、この順位被膜が厚くなり耐食性が増すのだという。

 ここで河合さん。「I店とN店の家具を我が家で買って組み立てたら、確かめたわけじゃないですけど、A社のネジがユニクロで、B社のが有色みたいでした」。いわゆるひとつの職業病だと思う。さて次回は、なぜ亜鉛めっきが錆びないかについて。