ページトップへ

アルマイトってなに?

【第22回】アルマイトって何だろう その1

単刀直入にアルマイトとは、アルミ自体の表面を酸化アルミニウムにする技術だ。めっきではもとの金属に他の金属の膜をつけたが、アルマイトではもとのアルミに石のような膜が形成される。イオン化傾向の大きいアルミは、酸素と仲がよく、空気に触れた瞬間にその表面は酸化アルミニウムとなる。僕みたいな素人は「酸化」と聞くと、負のイメージが浮かぶ。だって酸化鉄はいわゆる赤錆で、これをまとうと鉄は弱くなるし(実は同じ酸化鉄でも黒錆は鉄を強くする)、人間の身体も酸化するとよくないと言うじゃないか。けれど、アルミニウムやチタン等の金属にとって、表面が酸化することは好都合らしい。

 

アルマイト

お話をお聞きしたのは、今回も開発課の榎堀さんだ。「鉄の赤錆はぼそぼそしていて、湿気を吸ったり空気を通したりするため、さらに腐食が進みますが、アルミニウムやチタンにできる酸化皮膜はものすごく緻密な膜で、一度できると普通の状態ではそれ以上錆びません。この性質を不動態とい言います」。クロムやニッケルを含ませた合金であるステンレスも、表面が酸化クロムの不動態膜で覆われているから耐食性が高いのだそうだ。 

アルミニウムもチタンも本来酸化しやすい。しかし、いったん酸化するととても強くなる。アルマイトとは、自然な状況でもできる酸化皮膜を、電気の力を使って強制的に厚くする技術だと言ってもいい。アルミニウムは軽く、放熱性が高く、加工性もよいなど優れた性質があり、リサイクル技術の向上で値段も安価になってきた。アルマイト加工で「強さ」を身につけたアルミが、とても利用価値が高いことは容易に想像できる。

そんな旨い話はアルマイト思ったが、あるのである。ごめんなさい。洒落ている場合じゃなかった。ところで、榎堀さんのお話を聞いていて、ひとつ思い出したことがある。桐下駄のことだ。桐という木は柔らかい。もっと堅い木を選べば、下駄の歯も減らなだろうと思うが、そこが素人の浅はかさ。下駄の歯が地面を踏んだ際、柔らかい桐なら表面に細かい砂や石の粒が食い込んで、それ以上歯ががすり減ることがないのだ。

閑話休題。榎堀さん曰く。アルマイトには2種類ある。いわゆる普通のアルマイトと硬質アルマイトだ。普通のアルマイトとは、車のタイヤのアルミホイールなど、装飾を目的としたものである。アルミサッシに見るようにアルマイト自体は透明な膜だが、色をつけることも可能だから、電化製品をはじめ様々な製品の外観に使われることも多い。これに対して、サン工業が得意とするが硬質アルマイトである。アルマイトの堅いという特性をより一層高めることが、ここでは付加価値となる。次回はそんなお話。