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金めっきの煌びやかなお話

【第41回】金めっきのお話 その1

北陸新幹線が金沢まで伸びて、人の流れが大きく変わったという。金沢といえば、伝統工芸のひとつに金箔があるのはご存知の通り。彼の地の金箔は、厚さが100ナノメートルという極薄で、光を透過するほどらしい。いやはや、職人の技ってすごい。

それに負けじと、サン工業の金めっきを取り上げます。此度も開発課の河合さんに教えを乞いました。すぐに技術の核心に触れても、読者はともかく、原稿を書くあなたが分からないだろうとの、氏の有り難い配慮に甘え、今日のところはイントロダクション。

めっきと言えば誰しも金めっきを想うくらい、こいつは私たちの身の回りに溢れている。時計やアクセサリーしかり、トランペット等楽器しかり。装飾以外のところでも、パソコンやパブレットなどの電子部品、充電コネクターなどにも使われている。

「金めっきって、めっきの起源って言われてて、古墳時代からあった技術なんですよ」そう教えてくれる河合さんが、埴輪みたいな格好をした職人集団を率い、めっきしている姿を勝手に想像する。だが、話しはすぐに奈良時代へ移った。

「東大寺の大仏様も金めっきされてますよね」。盧舎那仏をめっきするのには、水銀と金の合金(金アマルガム)というのを使用した。粘土状にしたこれを仏様に塗り、炭火で加熱して水銀を除去し金だけ残す。「水銀中毒がかなり出たことでしょう。国の安定のために建てられた仏像のために、命を落とした人がいるんですよね」と河合さん。なるほど、そんなふうに歴史を読む目線があるのかと関心する。

さて、金めっきの利用は、最近では医療分野や航空宇宙分野にも広がっている。何故にこれほど人気者なのか。河合さんはそのメリットを5つ挙げた。①錆びないこと、つまり酸化しないこと。②はんだ付け性がよいこと。③接触抵抗が低いこと。④伝導性がよいこと(銀、銅に次いで3番目)。⑤ボンディング性がよいこと。

デメリットなら僕にもすぐ分かる。値段が高いことだ。「でも、だからこそめっき技術が古くから発達したとも言えるわけです」。金はとても優れた金属だが、そのまま材料として使用するには高価すぎる。だからめっきが施されることになったというわけ。

遙か長き時を経て今に伝わる金めっきだが、用途などに応じていくつかの種類があるという。合金にして硬くした金めっき、99.99%の純度の純金めっき、電気を使わない無電解金めっきなど。厚さも使われる製品によって、0.03µm(30ナノメートル)~5µmまであるのだとか。サン工業では、金めっきの量産を手がけており、こうしたさまざま種類の金めっきに対応できる。次回からはこのあたりを詳しくお伝えします。

2027年にはリニア中央新幹線が開業予定だ。その頃にはきっと、サン工業の金めっきがとても有名になって、信州伊那谷を訪れる人がたくさんいるに違いない。