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銀めっきの秘密

【第48回】銀めっきの秘密 その4

 開発課宮川さんが取り組むスペシャルな銀めっきは、さらなる進化を遂げるため現在信州大学と共同研究の途上にあり、ここでより詳細なデータをとり、性能評価をしていく。数ヶ月後には、サン工業オリジナルめっきとなる宮川スペシャルについて、その正式名称とともに読者の皆様へ紹介する予定だ。乞うご期待。

 さて今回は、無電解銀めっきについてお届けしよう。レクチャー役はお馴染み河合課長である。「基板の配線って金めっきが多いじゃないですか。これを銀に置き換えられたら、お客様にとって大きなメリットになるんですよ」

 なるほど金より銀の方がコストで優位だ。「そうなんです。そこで無電解銀めっきなんです」。無電解めっきは微細なパターンもお得意だったはず。「ええ。めっき厚も均一にできますし、接点も必要ありませんし、電気を通さない素材にもめっき出来ますから」

 話の方向が見えてきたから聞いてみる。「でも難しいんですね」「はい。国内でできるところはほとんどありません」

 河合さんによるとその理由は、めっき液の不安定さにある。無電解銀めっきの液は濁りやすくて、濃度が下がりやすいというのだ。濃度が下がればめっきは厚くつかない。そこのところを開発課メンバーが知恵を絞り、トライ&エラーを重ね、めっき厚1µmまでつけられるようになった。置換型の銀めっきでは0.1〜0.2µmの厚さがせいぜいだが、今後5µmまではいけそうだと河合さんは言う。これなら値が張る金の代わりとして、厚い銀めっきを施すことができる。もとより電導性はお墨付きだから用途はどんどん広がるにちがいない。すでにサン工業では、自動車に使う基板に無電解銀めっきをするなど、大手メーカー数社と取引の実績がある。なんだかギンギラギンの未来が開けてきたぞ。

 「もう一つ課題があるとすれば…」。やっぱりあるんだ。「エレクトロマイグレーション現象が起きるんですよ」。ハイドロプレーニング現象なら車の免許を取るときに覚えたが。こちらがボケる間も与えず河合さんが説明してくれる。「つまり絶縁不良のことです。高温高湿下で高電圧をかけると、余計なところで導通しちゃうんです。だから使う条件が限られますし、そうした条件で使う場合は、樹脂で封止するなど対策が必要です」

 対応策はあるとのことで安心した。さらに河合さんは「世の中にこれまでなかったものですから、基板以外にも思わぬところに使われ方があるはずです。宮川スペシャルと一緒に、無電解銀めっきもうちの売り技術に育てていきますよ」と頼もしい。

 どうやらこちらも完成間近である。基板でのご利用もその他でも、無電解銀めっきの御用命はサン工業まで。