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マグネシウムの化成処理ってナニ?

【第2回】今、注目の金属はマグネシウム

サン工業訪問記」の最初の訪問先は製造開発。サン工業は「ものづくり」の会社なのだから、当然といえば当然の選択といえるだろう。

そこでこう質問してみた。

「現在のメッキ業界の最先端はどういうところにあり、サン工業が得意とするのは何ですか?」

「メッキや表面処理の技術は、現在、メーカー側のニーズの多様化によって、とても細分化し、専門化・特化しています。表面処理をする素材も色々なものがあり、環境対策上の様々な制約もあります。メッキ業界の最先端は何か?と聞かれても、一言では説明しきれないですよ」

苦笑いしながら答えてくれたのは製造開発の榎堀秀和さん(39)。
なにか、答えにくいアバウトな質問だったようだ。でもこっちはメッキについては素人なんだからしかたないよね。

「表面処理をする対象の素材が色々あるという事ですが、現在、もっとも注目されている、あるいは必要とされている素材は何ですか?」と再度、私。

「色々ありますが、しいて挙げるとすればマグネシウムかな。携帯電話など小型電子機器のフレームの素材として、現在、もっとも注目されており、その表面処理―マグネシウムの場合は化成処理になりますが―の高い技術が求められています」と榎堀さん。

マグネシウムは、重量が鉄の1/6と非常に軽く、かつ合成力が強いので、薄く加工してもかなりの強度を維持することができる。小型化・軽量化が進み、しかも衝撃などへの耐久性が求められる電子機器の部品の素材として注目されている。

しかし、マグネシウムは腐食に弱く、そのままではすぐに劣化してしまうので、その表面処理の技術が求められているというわけだ。

例えば、デジタルカメラ。特に今ブームになり始めている一眼レフの高級品は、軽量化と耐久性の両面から、ほとんどの機種で、ボディにマグネシウムが使用されている。

高級品ということもあり、普及品のように、プラスチックをメタリックにメッキしたものとは違う、高級感があふれる外観が求められる。ここでマグネシウムの化成処理が必要になる。

すぐに腐食する厄介な金属マグネシウムに、どのようにして高級感のある表面処理を施すか?
こういうところが、マグネシウムの化成処理を行うメッキ会社にとって腕の見せ所なのだという。

では、サン工業では、それをどのように行っているか?(次回に続く)

プラスチック製の携帯電話のフレーム部品。こんなに変形する。

 

マグネシウム製の部品。こちらは変形しない。

 

企画・取材/地域産業ライター 毛賀澤明宏